ドイツの暮らしとフェアトレード |
ドイツ人との会話の中で「ほら、あそこには米軍基地があるのよね」
という言葉が出てきて、はっとした。 そうだ、そういえばドイツも日本と同じ敗戦国だから、米軍基地があるんだった。 米軍基地問題というと、日本では、日本や韓国、フィリピンなどアジア近辺のニュースばかりを聞いていたので、「ヨーロッパの米軍基地」というイメージがすっかり葬り去られていた。 そもそもドイツは、第2次大戦の主役といってもいい国だったわけで、戦後は米軍のみならず各国の軍が駐留していた。 1994年までソ連軍もいたし、現在もNATO軍として米・英・仏・蘭・伊が駐留しているそうだ。 米軍については、ドイツは欧州で最大の駐留基地で、陸上の兵力で見ると日本の1.5倍以上はいるらしい。 日本では、普天間問題をはじめ米軍基地問題は常に熱い。 ドイツではどうなの?と思い、何人かに聞いてみると、概してニュートラル。 ある知人曰く: 「いや、別にあまりネガティブな議論はないなぁ。何しろ戦後はアメリカだけじゃなくて色々な軍がいたから、ある意味慣れちゃっているのかもね。それに、どちらかというと米軍基地がある地域は経済的にそれで潤っているから、そういう捉え方のほうが多いのかな。」 また、別の旧東独出身の友人に聞いてみたところ、やはりネガティブな感じはなく、ちょっとニュアンスが面白い。 「そうねえ、米軍問題がネガティブに議論されることはあまりないような気がする。どちらかというと、戦後のドイツの発展はアメリカがなければなかったという部分もあるからかな。でも、これは私が旧東独出身だから、余計にアメリカに救われたと感じているのかもしれない。」 なるほど、同じドイツでも旧西ドイツか東ドイツかで、確かに感じ方はかなり異なるだろう。 しかし、その友人は私とほぼ同じ年。考えてみれば、壁が崩れたのは1989年なのだから当然なのだけれど、私たちの世代でも壁の時代の影響を大きく受けているのだなぁと改めて実感した。 それにしても、同じ敗戦国でありながら、米軍に対するとらえ方の違いに驚いた(数人にしか聞いてないので、大多数の意見がどうかはわからないけど)。 どちらかというと、当然ドイツでもネガティブな議論が多いのかなぁなどと思っていたのに、結構冷静だった。 やはり日本は、自国の軍もなく、また米軍は原爆を落とした当事国でもあり、アメリカに対するドロドロした感情が先に来るから、ドイツとは同じ土俵で語れないのかなぁ。 米軍がいなかったら、有事の時に日本は自分を守れないし、沖縄などは米軍がなくなったら経済的にかなり打撃を受けるに違いない。 でも、やっぱり私はこの日本のあいまいな立場が嫌だなと思う。 唯一の被爆国であり、戦争をしないという平和憲法を持っていることを誇っている一方で、 直接的でないにしろ補助的活動として米軍や多国籍軍をサポートすることは、 結局自分が手を下していないだけで、イラクなどでの戦闘に加わっているのと同じだと思う。 外国人に平和憲法の話をしても、戦闘というものに全く関わっていないとはっきりは言えない。 そのどっちつかずの立場が、もどかしい。 米軍のイラク侵攻以降、アフガニスタンをはじめ世界はよりひどい状況になっている。 理想主義すぎるかもしれないけど、そんな時代だからこそ、日本は本当の意味で戦争をしないという選択を、誰よりも先に世界に示せたらかっこいいのになぁ。
by nakazawamlibra
| 2010-02-27 22:13
| 暮らし全般
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