ドイツの暮らしとフェアトレード


日本でのフェアトレードの仕事を離れ、ドイツで子育て中!ドイツで過ごす日々やフェアトレードについてのブログです。
by nakazawamlibra

ストリート系フェアトレード・ブランド armedangels

この街でちょっとクリエイティブな店が集まるエリアを散歩していたら、ドイツのストリート系フェアトレード・ファッション・ブランドの”armedangels”のTシャツを見つけた。
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色々なTシャツデザインがあり、外部のさまざまなクリエイターがデザインに参加している。
これは私が買ったもので、ダイヤモンドの絵に「Worthless, sorry(悪いけど、価値なし)」というメッセージが書かれたもの。34.90ユーロ。
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もう一つは、ストレッチのきいたタイトスカート。ちょっとハイウェストなタイプで、マリンルックっぽい。
69.90ユーロ。(注:これは私ではありません(笑)armedangelsのHPから・・・)
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このブランドでは、インドでフェアトレード認証されたオーガニック・コットンを使ったTシャツやカットソー、パーカー、スカート、バッグなどを販売している。
他のフェアトレード・ブランドとは少し違って、商品の見せ方やモデルの雰囲気もストリート系を意識した感じ。
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ブランドの名前は、直訳すると「武装した天使」なので、いったいなぜ・・・と思っていたのだが、そもそもはロビンフッドがイメージとしてあり、「自然破壊や児童労働など社会の悪をぶち壊す天使」というアイコンらしい。
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armedangelsは、経営学を学ぶ二人のドイツ人学生が、社会や環境に良くて、そしてかっこいいファッション・ブランドを作りたいと起業したところからスタートした。
そして、ドイツのビジネス誌においてYoung Entrepreneur賞(若い起業家賞)を受賞したことにより、さまざまな投資家から資金を得ることができ、ブランドは立ち上げに成功。
現在、直営店はないが、ドイツ国内約60店舗で取り扱いがあり、そのほかオーストリア・スイス・ポルトガル・英国・デンマーク・フィンランド・オーストラリアにも輸出されている。

また、商品の価格のうち1ユーロが、いくつかの社会貢献プロジェクトに寄付される。
面白いのは、商品を買った人が自分でどのプロジェクトに寄付するかホームページ上で選べること。
商品にはこのピンクのシールがついていて、そこに書いてある記号をホームページで入力すると、インドの識字教育支援プロジェクト、インドでの飲料水確保プロジェクト、ドイツでの水資源保護プロジェクトの3つのうちから寄付先を選択することができる。
ホームページでは、どのプロジェクトに何人が寄付したか投票のような数字が示されている。
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デザインも面白いし、ブランドの見せ方も今までにない雰囲気で、新しい顧客層をフェアトレード・ファッションに呼び寄せそう。

ただ、「フェアトレード」といっても、このブランドでは洋服の原料であるコットンのみがインドのフェアトレードのものであって、コットンを糸にする工程はドイツ、縫製はポルトガルで行っている。

「なぜ、コットンの採れるインドで全ての製造工程を行わずに、縫製はポルトガルにしたの?
フェアトレードやエコという観点(商品ができるまでに移動が多い=CO2排出が多い)からすると、インド国内でそのほかの製造もおこなったほうが良いのでは?」

と、このブランドに聞いてみたところ、次の答えが返ってきた。

「私たちのブランドでは、製造工程の「透明性」をとても大事に思っていて、ドイツからインドのサプライヤーの製造工程や労働基準、環境基準、品質などをコントロールするのは難しく、一方ポルトガルであれば同じヨーロッパ内で頻繁に訪問できて、チェックもできる。ポルトガルの工場は、こうした労働基準や環境基準をしっかり守っている。また、品質という意味でもポルトガルの縫製工場に満足している。以前いくつかのインドのサプライヤーからもサンプルを取り寄せたりしたけれど、ポルトガルの工場のほうが品質が良かった。また、フェアトレードという意味で、インドできちんとフェアトレードを守っている縫製工場を見つけることが難しかった。」

これまでの多くのフェアトレード・ブランドが、公正な賃金や安全な労働環境などを守るだけでなく、いわゆる途上国で技術もままならない生産者の技術向上や育成にも長い時間と労力をかけているのに比べると、原料だけをフェアトレードで確保して、糸製造や縫製は良質なQualityを最初から確保するためにドイツやポルトガルを選んでおり、手のかからない無難な方法を取っているなぁと思った。

確かに、このブランドが言うように、遠い国での労働環境や製造工程をしっかりチェックしようとしたら、相当のコミットが必要なので、そこまでコミットできないなら、透明性という意味では近くのサプライヤーでしっかりそれを守ったほうが無責任じゃないのかな(まぁ、逆を言えば、ブランドとして、そこまでのコミットメントがないということなのだけど)。

また、寄付金に関しても、商品を作る生産者団体もしくはコミュニティーに対する直接的なサポートではなく、それとは関係のない様々な社会貢献プロジェクトに使われるというスタイル。原料調達だけの関係だと、フェアトレード生産者との間であまり強い結びつきはないのかなと感じた。

もちろん、少なくとも原料をフェアトレードで仕入れていることだけでも価値があるし、その意味ではフェアトレード商品と言えるので、私はそういう形のフェアトレードを批判したいわけじゃない。
例えば、普通の企業が下請け工場で賃金や労働環境等をフェアにすることで、フェアトレードを取り入れていく場合もあって、それはこれまでのフェアトレード企業・団体のように仕事のない貧しい村で一から生産者を育てるわけではないが、生産者の対象が違うだけで大きなくくりではフェアトレードと言える(ただし、通常のコンプライアンス遵守と混同されやすいのだけれど)。

フェアトレードがポピュラーになればなるほど、何がどうフェアトレードなのかが、ブランドによってかなり異なるようになってきている。ちょこっとだけフェアトレードを取り入れているようなケースもあるだろうし、またフェアトレードのように見えて単に代金の一部が寄付されるチャリティー型の商品もある。

このarmedangelsのように、フェアトレード・ファッションの選択肢が増えるのは嬉しい!
ただ、一方で私たち買う側は、フェアトレード商品を見つけたら、
「どこでどんな風に商品を作っているのかな?」と、ちょっと注意して情報を見たほうがいいかなーと思う。
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by nakazawamlibra | 2009-07-24 01:26 | フェアトレード
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